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渡邊 和弘; 伊藤 孝雄*; 松岡 守
プラズマ・核融合学会誌, 69(10), p.1229 - 1241, 1993/10
200keV,3.5A出力のヘリウムビーム入射装置において、放電破壊によるイオン源の耐電圧低下を防ぎ安定にビームを得るためのサージ抑制の改良を行った。EMTP回路解析コードによるサージ解析とサージの測定により、大きな対地浮遊容量をもつ絶縁変圧器が主なサージの流出源であることを明らかにした。そして、サージ電流波高値を抑制するために、1mHのリアクトルを変圧器二次回路に挿入した。サージ測定により、目標通りサージ電流を1.5kAから、500Aに低減できたことを確認した。この改良により、放電破壊によるイオン源の耐圧低下はなくなり、定格出力のビーム(200keV,3.5A,0.1s)がくり返し安定に得られるようになった。このことにより、耐電圧低下を防ぐためには、放電破壊時のサージ電流を抑制することの方が、エネルギーへの抑制より、より効果的であることが明らかになった。